Immersive Museum 「ポスト印象派」
ゴッホやセザンヌらを代表的作家とするポスト印象派のアートの世界を、最新テクノロジーで描く没入体験型ミュージアム「Immersive Museum TOKYO 2023“ポスト印象派”POST-IMPRESSIONISM」のCG映像制作にアマナが携わりました。イマーシブとは「没入」という意味で、最新テクノロジーによる音と映像によりアートを表現することで、視覚体験を超えた絵画の世界へ入り込んだような体験ができるアートイベントです。画家が何を見て、どう捉えて、どのように表現しようとしたのか。「絵画対自分」ではなく画家の視点に乗り移る、新しい美術体験ができるイベントとなっています。
幾何学的に描かれているセザンヌの絵画をCG化する
幾何学的に描かれているセザンヌの絵画をCG化する「ポスト印象派」と呼ばれる時代に活躍した画家たちの作品を元に、その特徴的な技法をCGで表現しました。
例えば、セザンヌは後に若い画家に宛てた書簡で『自然を円筒形、球、円錐によって扱いなさい』と述べています。セザンヌが自然の存在感をどのように描いたのか、作品を考察して、その技法を再現するように、色を重ねていくイメージを空間にレイアウトしながらCG制作にあたりました。
画家や作品のストーリーを伝える表現を追求
ゴッホの作品は、CG化するにあたり、筆跡を点で表現して動きをつけていきました。また、べクターフィールド(空間の座標の方向と量の分布図を表したもの)を用いて動きを調整しながら制作。ぐるぐると渦巻く空や天体、生き物など静止していた絵画が、立体的に動く映像として楽しめるように仕上がっています。
CGで伝える生命の神秘や誕生の喜びのメッセージ
ゴッホの作品は時系列順に展示されることが多く、エンディングでは晩年のゴッホの精神状態が表現された暗い作品の展示になることが多いです。今回のImmersive Museumにおいても後半に『黒い鳥のいる麦畑』という晩年に描かれた作品が登場します。しかしその後、あえて時系列通りではない『花咲くアーモンドの木の枝』という作品を登場させる演出が施されました。『花咲くアーモンドの木の枝』は、精神病院で療養していたゴッホが自身の弟に生まれた子供を祝って描いた作品です。
この『黒い鳥のいる麦畑』から『花咲くアーモンドの木の枝』への映像の移り変わりは、黒い鳥が空に舞い上がった後に明るい色合いのアーモンドの木や花が現れて、生命の神秘や誕生の喜びがメッセージとして伝わる、穏やかな印象の仕上がりになりました。
会場には、AIのゴッホが肖像画を描いてくれる体験ブース(他社制作)や、ポスト印象派の世界観をフォトジェニックに楽しめるMuseum Cafe、オリジナルグッズをそろえた特設ショップもオープン。絵画のストックフォトはアマナが提供しています。
クライアント:株式会社コーネルド
スポンサー:株式会社電通
プロデューサー:山本 章夫・高野 映里・田中 綺乃
イメージングディレクター:丸岡 和世
CGディレクション:佐藤 翔太・増田 啓人
CG:佐藤 翔太・増田 啓人・沼波 奨悟・蔦 滉志
レタッチ:村田 武彦
ストックフォト:野副 麻希子
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